短期トレードは無価値？見えないところで経済を支える“流動性の職人たち

投稿者: Shinji Matsubara on 2025年10月5日 • ( コメントする )

「短期トレードなんて社会に貢献していない」
よくある言葉だ。
たしかに、工場で汗を流す人や、介護の現場で人を支える人のように、
“目に見える形”で社会に役立っているわけじゃない。

だからといって「価値がない」と言えるほど、世の中は単純じゃない。

■ 「価値を生む」という言葉の裏側

多くの人は“価値”を、
モノを作るとか、人を助けるといった直接的な貢献だけで測ろうとする。

しかし、経済は目に見えないネットワークで動いている。
物流、データ、そして“資本の流れ”。
トレーダーは、そのうち最後の部分──お金の循環を作る仕事だ。

工場でネジを締める人がいるように、
マーケットで“価格”というネジを締めている人間もいる。

■ 短期トレードが支える「市場の呼吸」

トレーダーは市場に流動性を与える存在だ。
誰かが「今すぐ売りたい」と思った時に、
その注文がスムーズに成立するのは、どこかで誰かが構えているから。

それが短期トレーダーだ。

もう一つは価格発見。
世界中のニュース、心理、需要と供給を反映して、
「いまこの瞬間の適正価格」を形にしている。

見えないだけで、トレーダーの行動一つひとつが、
経済という巨大な心臓の“拍動”になっている。

■ 「無価値」と言われる理由

短期トレードが誤解されやすいのは、
“自分の利益だけを追っているように見える”からだ。
たしかに、社会的意識の欠けたトレードは、
単なるギャンブルと変わらない。

しかし、自分の技術で市場の秩序を作る意識があるなら、
それは立派な仕事だと思う。
見えないところで、世界経済の“血流”を整える職人。

■ 結局、何のためにやるか

トレードをしていると、よく言われる。
「何も生み出してないじゃん」
──しかし、そう言う人ほど、
自分が投資信託やFXで誰の流動性に乗っかっているかを知らなかったりする。

短期トレーダーがいなければ、
その人の“取引ボタン”すら反応しない。
経済の裏側を支えているのは、
いつだって目立たない人たちだ。