マレーシアで使えるプリペイドカード「BigPay」について、2019年に自分で申し込んだときの記録と、2026年8月時点の公式資料に書かれている条件を分けて整理しました。
この記事は2020年に公開したものを、2026年8月24日に全面的に書き直しています。手数料もカードの受け取り方も当時とは変わっているため、古い記述は残さず現行の条件に置き換えました。
BigPayとは
BigPayはマレーシアの決済サービスです。アプリで残高を管理し、カードで支払います。発行元はBigPay Malaysia Sdn Bhdで、商品開示シート(PDS)には「電子マネー型の決済手段で、実物のVisaカードまたはバーチャルVisaカードの形をとる」と記載されています。
私が申し込んだ2019年当時、手元に届いたカードはマスターカードでした。現在の公式資料はVisaと明記しているため、この記事は現行の記載であるVisaを基準にしています。ブランドが切り替わった時期については、公式資料に沿革の記載が見当たりませんでした。
申し込みの条件
BigPay Malaysiaの商品開示シート(2023年8月30日版)に、申込資格が明記されています。要約すると次のとおりです。
- PDSでは18歳以上が対象とされています
- マレーシア国民、または永住者であること
- 外国人の場合は、マレーシアに適法に居住しているか、有効な就労ビザに基づいて就労していること
- マレーシア国内の有効な郵送先住所があること
外国人については、単にマレーシア国内の受取住所を用意するだけでは条件を満たさず、マレーシアでの適法な居住、または有効な就労ビザに基づく就労が必要とされています。
収入証明は不要とされていますが、本人確認書類の提出は必要です。なお、この4条件は商品開示シートに書かれているもので、実際に適用されるのは別途の会員規約(Cardholder Agreement)です。申し込む前には規約本文も確認してください。
本人確認の手順
外国人の場合はパスポートで手続きします。公式ヘルプによると3段階です。
- パスポートの顔写真ページを撮影する(スキャンやコピーではなく現物)
- 自分だけが写った状態でセルフィーを撮る
- 画面の指示に従って左右を向き、表示された3桁の数字を読み上げる動画を撮る
審査には最大約48時間かかります。
2019年に自分で作ったときの記録
ここは当時の体験そのままの記録です。現在の手順とは異なります。
- 申し込みはアプリから行い、本人確認の書類を提出して待つ形でした。
- カードは実物のカードが送られてきて、それがマスターカードでした。
- 残高の追加はアプリから行います。マレーシアでは「チャージ」ではなく「トップアップ(top up)」と言うのが一般的で、クアラルンプールで「チャージ」と言っても通じませんでした。英語圏のサービスを使うときは、この語彙の違いを知っておくと迷いません。
- 受け取った時点で、すでにRM20が入っていました。
最後の「RM20」について、はっきり分けておきます
2019年に私の残高へ最初からRM20が入っていた、というのは当時の私の記憶です。それが何によるものだったのかは、いま公式資料をたどっても確認できませんでした。
これと、現在の「初回トップアップRM20」は別のものです。公式ヘルプは、口座を有効化してカードを受け取るために自分でRM20を入金する必要があると説明しており、「入金したRM20はそのままあなたの口座に残り、使うことができます」と書かれています。
つまり現在のRM20は、利用者本人が入金した自分のお金がウォレット残高になるだけで、もらえる特典ではありません。この点を混同すると「RM20もらえる」と読めてしまうので、はっきり分けて書いておきます。
なお、2022年9月19日以降、マレーシア国外の国際デビットカードからのトップアップはサポートされていません。初回入金は現地の銀行送金、現地のデビットカード、クレジットカード(手数料あり)などで行うことになります。
2026年8月時点の手数料
公式ヘルプの手数料ページ(最終更新2026年3月27日)と、商品開示シート(2023年8月30日版)の内容です。金額はマレーシアリンギット(RM)のままにしています。
| 項目 | 公式資料の記載 |
|---|---|
| 入会金 | なし |
| 年会費 | 無条件で無料 |
| 実物カードの発行手数料 | RM20(申請した場合のみ) |
| カード再発行 | RM20(チップやカードの不良による場合は対象外) |
| 解約 | 無料 |
| 口座維持手数料 | その月にカード取引がない場合、月RM2.50。ただし追って通知があるまで免除 |
| ATM引き出し(マレーシア国内) | 1回 RM6.00 |
| ATM引き出し(海外) | 1回 RM10.00または引き出し額の2%のいずれか高い方。ただし追って通知があるまでRM10.00のみ |
| 為替手数料 (MYR以外の通貨で決済した場合) | 最大1%+ネットワーク手数料 |
| クロスボーダー取引手数料 (国外の加盟店がMYR建てで請求する場合) | 0.5%+ネットワーク手数料 |
| クレジットカードからのトップアップ | 国内発行1%、海外発行2.9% |
| FPX・銀行送金からのトップアップ | 無料 |
| 現金トップアップ | RM1+入金額の2%(RM100までは上限RM2、RM100超は上限RM5) |
為替手数料とクロスボーダー手数料は、適用される場面が違います
この2つは名前が似ていますが、料金表に書かれている適用条件が異なります。少なくともこの2つの料金定義では、MYR建ての決済と非MYR建ての決済とで、適用条件が分かれています。そのため、この2つが常に同時に上乗せされる前提で読む必要はありません。
- 為替手数料(最大1%)は、決済がMYR以外の通貨で行われたときにかかります。タイでバーツ建てで支払う、日本のサイトで円建てで支払う、といった場合です。
- クロスボーダー取引手数料(0.5%)は、加盟店がマレーシア国外にあり、かつ請求がMYR建てで行われたときにかかります。海外のサブスクリプションでMYR建て請求になるケースが典型です。
公式ヘルプが挙げている例で言うと、国外の加盟店にMYR建てで支払った場合(アイルランドの加盟店でRM100を支払う例)はクロスボーダー手数料の対象で、ネットワーク手数料を含めておおむね1.5%程度になるとされています。一方、国外の加盟店に現地通貨建てで支払った場合(タイの加盟店でTHB建てに支払う例)は、かかるのは最大1%の為替手数料のほうです。
公式ヘルプは、決済通貨を選べる場面では現地通貨を選ぶよう案内しています。また、実際に適用されるレートはVisaの為替レート計算機でBank Feeに1%を入力すれば目安が分かる、とされています。ネットワーク手数料はVisaが課すもので、計算機に出るレートにはすでに含まれているという説明です。
旧版のこの記事には「国外ショッピングによる為替レートはかなり良心的。国内使用時と殆ど変わりません」と書いていました。体感を書いたものですが、実際には非MYR決済に手数料が乗ります。誤解を招く表現なので削除しました。「発行手数料や年会費は一切かかりません」という記述も、実物カードにはRM20がかかるため訂正しています。
カードは2種類ある
2019年当時から大きく変わった点です。公式ヘルプによると、2023年5月2日以降、青い実物カードは登録時に自動発行されなくなりました。申請した場合のみ発行され、その際に残高からRM20が引かれます。新規登録者にはまず白いバーチャルカードが発行されます。
| カードでの決済手段 | 青い実物カード | 白いバーチャルカード |
|---|---|---|
| オンラインでのカード決済 | 可 | 可 |
| 実店舗でのカード決済 | 可 | 不可 |
| ATMでの現金引き出し | 可 | 不可 |
送金やDuitNow、請求書支払いといった機能は、カードの種類ではなくBigPay口座の機能です。どちらのカードでもアプリから利用できます。上の表は、あくまでカードで支払うときの違いに絞っています。
実店舗で使いたい、ATMで現金を引き出したいのであれば、RM20を払って実物カードを申請する必要があります。申請後は5〜7営業日で郵送されるとされています。旧版のこの記事は実物カードが自動で届く前提で書かれていたので、その前提ごと差し替えました。
海外で使うときの注意点
公式ヘルプによると、海外利用のための事前手続きは不要で、そのまま使えます。ただし利用できない国があります。公式ヘルプ(最終更新2025年12月26日)はロシア、北朝鮮、イスラエルを挙げています。
実物カードのPINを6桁で設定していて、加盟店の端末が4桁を求めてきた場合は、先頭4桁を入力すればよいと案内されています。
ポイントについて
対象となる取引では、airasiaポイントが付きます。すべての取引が対象というわけではありません。
公式ヘルプで確認できるのは次の点です。
- 貯まったポイントはairasia.com/rewardsやAirAsia MOVEで使える
- 加盟店での決済が確定してから5〜7営業日で付与される
- ロイヤルティ口座に付与されてから24か月で失効する
- BigPayの連絡先との送受金、Stashes、国内の銀行送金は対象外
- 以前のBIG rewardsとairasia rewardsは同じプログラム
還元率については、この記事では固定の数値を書きません。理由があります。公式ヘルプには取引区分ごとの数値を載せたページがありますが、そのページの最終更新は2024年3月です。一方、2026年1月に更新された案内ページのほうは、具体的な数値を示さず「現在の還元率はアプリで確認してください」という書き方になっています。
公式ページどうしで更新時期が2年近くずれており、どちらが現在の条件なのかを外から判断できません。古いほうの数値を「現在の還元率」として書くと誤りになる可能性があります。最新の還元率は、BigPayアプリのポイント画面で確認してください。
まとめ
- 現在のBigPayカードはVisaプリペイド。入会金と年会費はかからない
- 申込には18歳以上、マレーシア国民・永住者、または適法に居住・就労している外国人であること、そしてマレーシア国内の郵送先住所が必要
- 実物カードは自動では届かない。申請してRM20を払う
- バーチャルカードだけでは実店舗決済とATM引き出しができない
- 初回のRM20は自分で入金する自分のお金。特典ではない
- 非MYR決済には最大1%の為替手数料。国外加盟店のMYR建て請求には0.5%のクロスボーダー手数料。かかる場面が違う
- ATMは国内RM6.00、海外は当面RM10.00
- ポイントは24か月で失効。還元率はアプリで確認する
手数料も発行方法も、これまで何度か変わってきました。申し込む前に、必ず最新の公式資料を確認してください。
出典
- BigPay Malaysia Sdn Bhd「BigPay Card 商品開示シート(Product Disclosure Sheet)」2023年8月30日版
- BigPay Malaysia Support「[Fees and Charges] Are there any fees and charges?」最終更新2026年3月27日
- BigPay Malaysia Support「[Fee and charges] What is Cross Border Transaction Fee?」最終更新2023年8月11日
- BigPay Malaysia Support「[Fees & Charges] Is there any fee if I use my BigPay card for international transactions?」最終更新2025年12月26日
- BigPay Malaysia Support「[Exchange Rates] What is the Exchange Rate when I Use My Card Abroad?」最終更新2025年12月26日
- BigPay Malaysia Support「[Card] How to apply for a physical blue card as a new user?」最終更新2023年10月16日
- BigPay Malaysia Support「[Card] Things you should know about using your BigPay card overseas.」最終更新2025年12月26日
- BigPay Malaysia Support「[Account] Why should I make an initial top-up of RM20?」最終更新2025年12月26日
- BigPay Malaysia Support「[Account] How Do I Verify My Account as a Foreigner?」最終更新2022年8月8日
- BigPay Malaysia Support「[Feature] How to redeem my airasia points?」最終更新2024年3月1日
- BigPay Malaysia Support「[Feature] Curious About airasia Points? We Got You.」最終更新2026年1月6日
カテゴリー:日々思うこと